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令和2年度九日読書会 ―わたしのお薦めの1冊―(第2回報告)

開催日時 令和2117日(土)14時~1530

 

会  場 熊本市民会館・大会議室

 

講  師 熊本大学五高記念館客員准教授 草枕交流館館長
     村田由美先生


演  題 『三四郎』~美禰子の恋~

 

 村田先生が準備された丁寧な資料を基に、ご自身の漱石文学と関わりから講演は始まりました。「三四郎」は恋愛小説を書かないと思われていた漱石が、新聞連載の中で書いた恋愛小説であること、また、大衆小説ではなく、深読みのできる小説とも話されました。章を追いながら、美禰子を中心に、三四郎に影響を与えた人物群を読み解いていかれ、特に、三四郎が最初に美禰子と出会う場面には、野々宮先生が大きく関わっていたことを当時の場面図を示しながら、示唆されました。三四郎が五髙から東京の大学に進学していくという設定は熊本にも縁が深く、漱石の小説の中でも身近に感じられる1編ではないかと思われますが、新たな視点で、再読してみる機会になりました。

(当日参加者は83)

 

☆次回は1226日(土)14時~ 市民会館・大会議室

 西槇 偉 先生 

 

『草枕』~中国ではどのように読まれてきたか~