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令和3年度 九日読書会 ―わたしのお薦めの1冊―(第1回報告)

令和3年度の漱石九日読書会にも100名の皆さんにお申込みいただき、10月16日(土)にスタートしました。

開演に先立ち、小野友道理事長より挨拶がありました。

第1回目は熊本県立大学学長の半藤英明先生が『二百十日』~偉大なる阿蘇~というテーマで、小説の解説と解釈をしていただきました。

特に、今回は県立大学文学部4年の溝口哲夫さんと門田優弥さんが、圭さんと碌さんとして朗読され、会話文の熊本弁を身近に感じました。

二人の軽妙なやり取りや人間関係がよりわかりやすく、落語好きだったという漱石らしく、『二百十日』にはオチがあるとの解説は興味深いものでした。一方で、阿蘇を表現している最後の一節を丁寧に読み解かれ、そこには、山が人々の不平不満を今も変わらず全身で引き受けている姿があり、その偉大な阿蘇山の姿こそがこの作品の背景にあると締めくくられました。

 

 

次回は11月6日(土)14時~ 熊本市民会館・大会議室

村田由美先生 『三四郎』~美禰子の結婚~