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「漱石熊本散歩」~五高記念館と漱石俳句を訪ねて~開催報告

開催日時 令和4年11月26日(土)10時30分~12時 参加者31名

 

漱石忌(12月9日)にちなみ、⒒月26日(土)、「漱石熊本散歩」を開催しました。今回は、漱石が4年3ヶ月過ごし、漱石文学の背景となった熊本大学構内と熊本地震で被災し修復を終え、今春公開された五高記念館を中村青史先生(元熊本大学教授)と村田由美先生(熊本大学五高記念館客員准教授)の案内で、秋晴れの空の下、散策しました。

まず構内に入ると、現在は、鬱蒼とした木々が生い茂っていますが、漱石が教鞭を取っていた頃は広い運動場があり、小川も流れていたと、中村先生から説明がありました。そして、当時、漱石が正岡子規に送った熊本高等学校秋季雑詠から学校、運動場、図書館、寮などに係る俳句も紹介され、漱石の俳句はユーモアあふれる表現で、興味深いものが多いと解説されました。

☆学校   いかめしき門を這入れば蕎麥の花

☆図書館  秋はふみ吾に天下の志

☆習學寮  頓首して新酒門内に許されず

☆物理室  暗室や心得たりときりぎりす

 

次に、修復を終えた五高記念館では、村田由美先生に各展示室を丁寧に案内していただきました。まず、入ってすぐ左の教室に置かれいるパノラマで当時の構内について詳しい説明かあり、当時を彷彿とさせられました。さらに、机椅子や黒板が当時のまま残されている教室や今回、新たに見つかった漱石の書簡も拝見することができました。

 

最後に、㈱ヒライに依頼した「漱石オリジナル弁当」について、監修をしていただいた戸次元子先生から、漱石にちなんだ酢の物や葛餅、大食漢だったエピソードなども交えて説明がありました。

参加された皆さんは、お天気に恵まれた中、先生方のお話に熱心に耳を傾け、記念館では記念スタンプを楽しんだりと、充実した時間に満喫されたようで、「改めて記念館には見学に来たい」との声も多く聞かれました。今回は、漱石の五高での様子に思いを馳せたひとときでした。