· 

令和5年度漱石九日読書会 ~『漱石書簡集』~ 第1回報告10月7日開催

令和5年度の漱石九日読書会にも100名の皆さんにお申込みいただき、10月7日(土)にスタートしました。開講に先立ち、小野友道理事長より挨拶がありました。

今年度は、村田由美先生(熊本大学五高記念館客員准教授・草枕交流館館長)による『漱石書簡集』におさめられた2256通の漱石の手紙から、漱石の人となり、漱石の新たな魅力を探る5回シリーズと朗読研究会による講座です。                    

 

第1回目は、『漱石と正岡子規』。村田先生は漱石と子規の交流を、100通を超える往復書簡から読み解いていかれました。二人の略年譜も詳しく説明され、交わされた書簡からも、二人の作品につながることがわかりました。10年以上になる交流も漱石が熊本から倫敦へ留学のため旅立ち、子規の病状が悪化し、再会できぬままとなりました。先生によると、漱石は子規の最後の手紙を受け取ってから、すぐに返事を書かなかったというのが一般的な見方であり、漱石もそのように書いてはいるものがあるが、実は、最後の子規の手紙にはすぐに返信を書いていることがわかり、大きな発見だったと話されました。

村田先生が、漱石と子規との深い交流を、特に、子規が最後を迎える時期の漱石の思いを熱心に話される姿に、感銘を受けました。(参加者73名)

 

次回は11月5日(日)14時~ 熊本市立図書館・ホール

 『漱石と寺田寅彦』